近年のエコー装置は、画像解析が飛躍的によくなり、レントゲンだけでは見えなかった組織が瞬時に見えるようになったことから当院では開業当初よりエコーで画像を見ながら注射をおこなうハイドロリリースを積極的に行っています。

ハイドロリリースとは、エコーガイド下で穿刺を行い、筋膜、靭帯、腱膜、関節包などに生理食塩水、低濃度の麻酔薬、ヒアルロン酸などの液体を注入して癒着を剥離し、局所の可動性が悪くなった末梢神経に滑走性をつくることで痛みやしびれを軽減する治療法です。
エコー検査に引き続き即時治療ができ、とても細い針を使うので注射の痛みは強くなく、生理食塩水を使用した場合、薬の副作用の可能性がないことが利点であり、内服薬を服用できない妊婦や授乳中の方にも有効です。
また症状の原因として疑わしい部位への現局した麻酔剤の注射で症状が改善すれば、症状の原因が特定できます（診断的治療といいます）。
肩こりや腰痛、ひざ痛、肩痛等で特に圧痛（押して痛みを感じることころ）がはっきりしている場合には著効を示すことがあります。

ハイドロリリースにより一時的に痛みが消失しても、生活習慣や身体の使い方が変わらなければ症状を繰り返すこともあります。こういう場合には予約制で理学療法士によるマンツーマンできめ細かい丁寧なリハビリを行っております。エコーやMRIで確認した情報をリハビリスタッフと共有し、運動療法で筋肉を強化、再生し、正しい姿勢やフォームを取り戻すことで症状の再燃を防ぎます。

全てに万能という治療法ではありませんが、改善に至らない場合でも次の治療法をスピーディーに決定することに役立つ手技であることは間違いないと考えております。